僕は以前に、とても深刻な悩みを抱えていた。それは、自分のテストの点数が全く上がらないということだった。その当時の僕は、学校での授業をしっかりと受け、家でも問題集をたくさん解くなど、テストの点数の向上に努めていた。しかし、その努力が報われたことは一度もなかった。自分のやってきたことがテストで活かせなかったと思うと、思わず涙が出そうになってしまう。どうすれば自分の納得のいく結果が出せるのか、当時の自分には全く分からなかった。
このようなことが何度も繰り返されていくにつれ、自分の勉強への熱意も徐々に消えていった。自分の実力のなさに失望していたのだ。(一体何が原因なんだ。学力に乏しいからか?集中力がないからか?勉強法が悪いからか?というかそもそもテストで高得点をとることは俺には不可能なのではないか・・・?)テストへの疑問が次々と自分の頭の中をよぎっていく。それと同時に、自分の不安も増すばかりだ。(もう少しで受験だっていうのに・・・。)僕はその当時、ものすごい危機感を抱いていた。
ある日、僕はテストのことについて母に相談した。
「どうしたらテストの点数が上がるの?」
「苦手なところを何度も復習するのがいいんじゃない?凌太朗は問題集を一回ずつしか解いていないから頭に入んないだと思うよ。」なるほど、そういうことだったのか。僕がそう思っていると、お母さんが
「お父さんにも相談してみたら?」
と言った。そういうことで、お父さんにも相談してみた。
「どうしたらテストの点数が上がるの?」
「凌太朗は単語のうろ覚えが多いからじゃないか?単語の意味を一つ一つ理解していくと問題が解きやすくなるぞ。」
「じゃあどうすれば単語の意味を理解できるの?」
「ノートに単語の意味をメモして、それを声に出して読むといい。」
僕は、父と母の話を聞いてすごく納得した。なぜなら、自分の足りないところをはっきりと教えてくれたからだ。早速僕は机に向い、ノートを開いた。そして、お父さんに言われたように、自分の苦手な単語の意味をノートにサラッと書き込んだ。この方法を始めた当初は(本当にこの方法で上手くいくのだろうか。)と少し疑っていたが、それでも僕は書き続けた。そして、書いたことを声に出して読んだ。本当に力がついているのか不安になったので、問題集をやってみることにした。するとなんと、前まで全く解けなかった問題をすんなり解いてしまったのだ。これは自分でも驚いた。そして次に、母に言われたように解けなかった問題をもう一度解いた。僕は勉強を終えて、ものすごい爽快感を味わった。なぜなら、自分の分からなかったことが、しっかり頭に入ったような気がしたからだ。これをきっかけに僕は、勉強をもっと頑張りたくなった。そして、テストの点数を上げたいという思いがより強くなった。
僕はこの出来事で、人のアドバイスの大切さについて学んだ。悩みを一人で抱え込んでいても何も変わらないが、他の人から悩みの解決法を聞き出すことで、人は大きく進歩できる。さらに、人から聞いた解決法を自分で実行することによって、悩みから解放されたときの爽快感を味わうことができるし、新たな発見も生まれたりする。しかし、アドバイスをもらっても、その人の問題が必ず解決するとは限らない。それでも、少しでも解決に近づくためにも、人のアドバイスを聞くことは大事である。自分も、困っている人にアドバイスをして、色々な人の悩みの解決を手伝いたいと思った。