私は、吹奏楽部に所属しています。担当しているパートはクラリネットです。息の調節や音をみんなと合わせるのが難しくて大変ですが頑張っています。
私の所属している吹奏楽部は、コンクールや大会などでなかなか金賞を取れたことがありません。昔は金賞を取ったり、全国大会に行っていたらしいのですが、最近は、金賞をとっても全国大会に行けない通称ダメ金や銀賞つづきです。こんな風に変わってしまったのは、私が入部したときからです。しかも、私が入部する前は楽しいイベントや、コンサートがたくさんあったのです。それに比べて今はイベントもコンサートも全くありません。自分は入部するタイミングが悪かったなと思うことがたくさんありました。運動部の友達が楽しそうに話しながら部屋に行ってるのを見て、「楽しそうだな」や「自分も運動部入れば良かったな」と思うこともたくさんあって、部活に行くのが嫌だなと思う日が増えていきました。同じパートの先輩は、優しくて頼りになり、入部したての私に期待してくれていました。でも私はその期待に応えることがなかなかできませんでした。悔しさや申し訳なさでいたたまれなくなり、トイレで時間をつぶしたり、部活がはじまる時間なのに、
「日直の仕事で部活少し遅れるわ」
と本当は日直でもなんでもないのにうそをついて部活をさぼった日が少しありました。この話は今では完全に黒歴史で誰にも話したくありません。しかしその時中学一年生だった私は、まだ話していいことと、悪いことの区別がついておらず、部活をさぼってしまった話を笑い話だと思っていたようで、家族の前でその話をしてしまいました。きっとみんな笑ってからかってくるだろうと思っていました。しかし、この話をおもしろいと思っていたのは私だけのようで、母、祖母、兄の三人は笑うどころか説教をしてきたのです。いつもは言われっぱなしは嫌いなので何か言い返したり逆ギレしたりするのですが、今回は完全に全て私が悪いと分かっていたので、言い返せずにいました。早く説教終わってくれないかなと思っていた私に母は
「嫌なのもつらいのもみんないっしょ、嫌な事から逃げるのは好きにして良いけど、それで他の人に迷惑かけるのは違うと思うよ」
と、真剣な顔で言ってきました。私はついいつものくせで「いや、さぼったら困るのは自分やで迷惑かけてないし」と言い返しそうになってしまいました。しかしよくよく考えてみたら、吹奏楽部に所属しているのは私だけではなく、期待してくれている先輩や、いっしょに楽器を吹いている仲間がいて、自分が一回さぼることによって、その人達みんなが困り、迷惑がかかっていたということに気がつきました。母の言葉は私の心に深く刺さり、一番大切なことに気づかせくれました。大切なのは、嫌なことからどう逃げるのかではなく、どう向き合うかなのです。当たり前の事かもしれませんが、私のように嫌なことから逃げることばかり考えてる人もいます。嫌なことと正面から向き合うと逃げてしまいたいさぼりたいと思うかもしれません。そんな時は難しく考えるのではなく、少し気楽に考えてみるのはどうでしょう。気楽に考えすぎて、他の人に迷惑をかけるのはだめですが逃げるよりかはマシです。嫌なのもつらいのも自分だけではない、そう思うと、今まで嫌だなと思っていた部活も、そんなに嫌じゃないかもと思えるようになれました。
それから私は嫌だった部活から逃げず、向きあってきました。さぼっていた私ですが、今では木管パートリーダーとして部員をささえる一人となっています。