「そんな遠回りばっかりで、時間が無駄じゃない!」
たまたま見ていた動画の中で聞いた言葉です。私は、この一言を聞いて、「遠回りはそんなに無駄で、悪いことなのだろうか。」と疑問に思いました。そこで、私が今まで体験してきたことや、経験したことなどから、考えてみることにしました。
私が家族と食事に行ったとき、とある一つのお店がお気に入りのお店になりました。その日は、三連休初日の土曜で、どこのお店もとても混雑していたり、既に予約でいっぱいになってしまったりしていました。そんな中を、予約をせずにお店に行ったために、
「今日は、予約でいっぱいです。」とどこへ行っても言われてしまいました。そこで、別のお店を探しているとき、この後にお気に入りになったお店を見つけました。そこは予約ができたので、予約をとってお店に向かいました。そこでとった食事がとても美味しく、この後に、何度も家族で足を運んでいます。当初の目的とは違ったお店だけれど、こんなことから見つけられることもあるものなのだな、と感じました。
また、私が友人の家に遊びに行って帰る際両親と都合があわなかったため、歩いて帰ることになってしまいました。友人と遊び、楽しくはあったけれど、やはり少し疲れていたので、どこか憂鬱な気持ちでした。家までの道を半分ほど歩いた道で、休憩をしたくなり、立ち寄った神社から、とても美しい夕暮れの風景を見ることができました。木々からさしこむ夕日の光や、すき間から見える空の色がきれいなグラデーションで、それまでの嫌な気分が全てどこかへ行ってしまいました。見とれているうちに、どんどん日が傾いてきてしまっているのに気がつき、慌てて家まで帰ったのですが、疲れていたはずの足もすっかり軽くなり、どこか晴れやかな気分で家に帰ることができました。夕暮れ時を一人で帰るのはとても嫌だったけれど、きっと車でむかえにきてもらっていたら、あの景色は見られていなかったし、気付くこともできなかったのだろうな、と思うと悪いことじゃなかったと思えました。
私が、一年生だったとき、一学期の中間テストで良い成績を残すことができました。それにうかれていて、期末テストでは、ほとんどテスト勉強をしませんでした。返ってきた成績は、順位が四位下がり、点数は二十点以上低くなっている、とてもひどいものでした。そのときに私は、勉強をしないと良い成績はとれないんだと思いなおし、二学期の中間テストでは、勉強をがんばり、良い成績を修めることができました。「勉強をしないと良い点数、良い順位はとれない」という当たり前のようなことでも、この体験を通して改めて実感することができました。
この三つの経験から、私は「遠回り」は無駄なことでは決してないと思います。「遠回り」をすることで、はじめて得られる経験やお気に入りのものとの出会いがあると思います。身近にあるのになかなか気づくことのできない「宝物」や意外なことから見つかる「宝物」がきっとあると思います。それらは、きっと「遠回り」という行為を通して見つかるものだと思います。一見すると無駄なことに思えても、自身の経験になったり、「宝物」が見つかったりと、無駄なことにはならないと思います。
みなさんも「遠回りの宝物」を探してみませんか?