僕は、十二月三十日に家族四人で福井中央卸売市場へ初めて行ってみました。なぜかというと、僕は魚をさばくのがとても好きで、色んな魚をさばく動画を観て憧れていたからです。いつも行くスーパーには魚が丸ごと売られていることがないので、市場にどうしても行きたいと前から思っていました。
中央卸売市場は、商店街のようににぎやかで人が沢山あふれかえり身動きがとれない程でした。果物店、生花店、揚げ物店、野菜店、そして、僕のお目当ての鮮魚店が何店舗か並んでいました。鮮魚店では、ズワイガニ、伊勢エビ、マグロの切り身、平スズキ、活ホタテ、他にも沢山の魚が並んでいました。市場は、スーパーと比べてお店の人と魚の話ができたりするところで、釣って間もない鮮度のよい魚が沢山あり活気あふれている場所だと思いました。
僕が買ったのは、活ホタテ、平スズキです。帰りの車の中で僕は、夢のような気持ちでずっとわくわくしていました。家に帰ったら真っ先に台所に立ち、魚をさばく準備をしました。最初に、平スズキをさばきました。まず今日のために買った鱗取りを使って鱗を丁寧にはがしました。初めて使ったので、台所の床が鱗まみれになり、掃除するのが大変でした。次に、出刃包丁で平スズキの頭をたたき落としました。骨が硬くて時間がかかりました。その時、いきなり僕の手がぬるぬるしたので、「何これ!」と一瞬驚き、すぐに内臓を覗き込んでみると、脂肪がのっていることがわかりました。それをきれいに取り除いてから、三枚おろしにしました。三枚おろしは動画で何度も観てやり方を覚えていたので上手にできました。でも皮引き作業の途中で皮が切れてしまい失敗してしまったので悔しい思いをしたけれど、四苦八苦しながらも、刺身にすることができました。身のついた骨と頭は、祖母にあら汁、カマ焼きにしてもらい、丸ごとすべて料理しました。
最後に活ホタテを刺身とバター醤油焼きにしました。まず、直径十六センチの貝殻から身をとりだしました。初めてだったので身が殻に残ってしまい、食べられる身を捨ててしまう羽目になったので、悔しくて再度ホタテの取り方を勉強してから挑みました。食べられる身、食べられない身を区別し、取り除くことができました。貝ヒモはぬめりをとるため塩もみをしました。貝柱は、今までに見たことがないくらい大きく弾力がありびっくりしました。家族分六枚さばいたので、段々慣れてきて楽しく作業ができました。ふと気づくと約四時間経過し足が曲がらず焦ってしまいました。
夕飯時、家族みんなで、僕がさばいた平スズキの刺身と、祖母が作ってくれたあら汁、カマ焼き、そして活ホタテの刺身、バター醤油焼きをいただきました。僕は、ホタテの刺身は初めての体験で、食べてみると、やわらかくてとても美味しかったです。平スズキの刺身は、スーパーで買って食べるいつもの刺身とは違い、甘くて、身に弾力がありびっくりしました。あら汁は、魚の出汁がよくでていて、とても美味しかったです。家族のみんなも美味しい美味しいと繰り返し何度も言ってくれて、作ったかいがあったし、みんなが笑顔になり、楽しい食卓になり、うれしい気持ちになりました。
僕たちは、活ホタテ、平スズキの命を無駄なくいただきました。僕たち家族を笑顔にしてくれたことに感謝の気持ちをこめて最後、ご馳走様をしました。